数学の問題集・参考書の使い方と勉強法
数学の問題集・参考書の使い方・勉強法は、数学を得意科目にして難関大学に合格するために非常に重要なことです。数学の勉強の順番とやるべきことは数学勉強法|難関大学合格までの最短ルートの対策と手順で述べた通りですが、ここでは各段階・レベルに応じてどのように数学の問題集・参考書に取り組んでいくかのポイントを解説します。
【コンテンツ目次~難関大学合格のための数学の問題集・参考書の使い方と勉強法~】
(2)具体的な問題を通じて数学という科目、公式の本質的理解をするという意識を持つ
(3)数学の実力をアップさせる教科書レベルの問題集・参考書の具体的な使い方
教科書レベルの数学の問題集・参考書の使い方
数学の問題集・参考書には大きくレベル分けして2つのレベルがあります。一つは教科書レベル、もう一つは標準問題集レベルです。 この2つの勉強法を全く一緒にして語っている数学勉強法がありますが、それは全く的外れな、 的を射ていないとんちんかんな勉強法であることがほとんどです。
問題集・参考書のレベルによって使用目的が異なります。したがって得るべきものも当然異なります。 ここではまず、教科書レベルの数学の問題集・参考書の使い方について解説します。
思考過程を理解して整理して記憶する
教科書レベルの知識の習得の勉強法のポイントを考える前提として、 難関大学の数学は基礎からの粘り強い思考と考察が求められるという点に特徴があることを 意識しておくとよい。 したがって難関大学の数学といえどもまず教科書レベルの問題を確実にできるようにすることが 合格にとって最も重要です。
難関大学の数学攻略にはまず教科書レベルの知識をしっかりと身につけること、 そのために教科書の例題・章末問題(高卒生は教科書代用参考書でもよい)はしっかりと解き、 思考過程を理解して整理して解法を記憶することが非常に大切になります。
ここでのポイントは思考過程を理解して整理して記憶するということが重要ということです。 ものによっては、公式をまる覚えするのではなく、公式を導く過程をしっかり理解することによって、 覚えることを最低限で済ませることが出来るのです。
多くの問題にあたっても、単に解き方を暗記するということとは異なることは理解して下さい。 そのやり方で本質的な理解が伴わず、いくら勉強したところで解法が同じ問題しか解けない、 少し角度変えられればお手上げであるという状態になります。 数学が不得意な受験生はこのような方法で多くの時間を数学の問題演習で浪費してしまっているのです。
具体的な問題を通じて数学という科目、公式の本質的理解をするという意識を持つ
教科書レベルの問題演習に限らず数学の問題集や参考書で問題演習や知識の習得を行っていく際に 最も重要なことは具体的な問題を通じて数学という科目、公式の本質的理解をするという意識を 持つことです。 これによって、応用された問題に幅広く対応することができます。 思考と理解が伴わなければ解法を他の問題に応用すろことはできないのです。 これでは本当の意味で数学的思考を理解できていないので実力は伸びないのです。
日々の数学の教科書学習や問題演習では丁寧に問題演習をおこない解法の思考過程・方法を納得して 整理して覚えていくことがとても大事なのです。 これを行うことで数学の基礎力は着実に身につけられます。
数学の実力をアップさせる教科書レベルの問題集・参考書の具体的な使い方
具体的には、ある新しい考え方に出会ったら、 それが「なぜ」そうなるのかを突き詰めてください。 読んだ解法をどんどんさかのぼって、 基礎的な知識までたどり着くまで「なぜ」を繰り返してください。 その手順を踏むことで、過程を考える思考力を身につけることが出来、 自分で論理を展開する力も鍛えることが出来ます。「なぜ」がなくなるまで遡ることが大切です。
このように思考と理解とを伴わせることによって始めて数学の本質的理解ができ 解法のパターンを未知の問題に使えるようになります。 思考と理解があってこそいくつかのパターンを当てはめてみたり、 組み合わせてみたりして問題が解けるようになるのです。 この過程が思考力といわれるものです。 したがって数学的思考力をつけるため基礎知識を可能な限り早い段階で身につけ 一定程度の演習をこなしてください。
教科書レベルの基礎を習得する段階での注意点
教科書レベルの基礎知識を習得する段階では頻出事項のみに偏ることの無いように 数学の体系的理解を心がけてください。 頻出事項でなくても、問題の解法のヒントになったり、 見慣れない問題を解く鍵になったりすることは多々あります。 数学の総合力が解答速度を速めたり様々な応用の基礎になるのです。
受験数学をセンスと誤解しない
受験生の中には数学は才能、センスだといって高得点を取ることをあきらめている方もいます。 ではその人に問います。才能、センスって何ですか? 明確に論理的に説明できないものは根拠がないと同じです。 少なくとも受験数学において才能、センスは関係ありません。 その証拠に基礎知識を重視し問題演習の分析をしっかり行うことで 高得点を取っている合格者はたくさんいるのです。
苦手な人は短期間で急激な上昇は見込まずに地道に教科書レベルの基礎知識の習得に励んでください。 数学の実力をつけるにはある程度の時間が必要です。 あせらず地道に我慢してここで述べている対策をしていってください。 極端な話、試験当日に実力が伸びていればいいのです。 模試の成績など気にする必要はありません。 地道な対策を繰り返し試験当日に多くの得点を獲得すればいいだけの話なのです。
難関大学や医学部志望受験生が特に注意すべきこと
難関大学や医学部志望の受験生の中には この数学の基礎レベルを軽く考えている人が多いです。 しかし、ここをないがしろにして受験標準問題集をいくら解こうが、 何時間数学の勉強をしようが数学の実力を難関大学合格レベルにもっていくことは不可能です。
基礎と応用というのは別々に存在しているのではなくて同一円状に内在する関係だととらえてください。 そして応用問題も基礎知識がその実態のほとんどを占めているという事実を理解して下さい。 この部分があいまいであったり抜けが大きいのに難関大学志望だからといっていきなり 標準問題集から入るのは不合格への道です。
実際に多くの勉強時間を数学の勉強に費やしたり、 多くの数学の問題集や参考書をこなしたのに数学の実力がつかない、 難関大学に合格できないという受験生はほぼこの教科書レベルの数学の基礎知識や思考を 軽視している人たちなのです。
標準・典型問題の数学の問題集・参考書の使い方
受験数学を得意科目にして、実力を飛躍的にあげるために重要になるのが、 標準・典型問題を如何に本当の意味でマスターできるかです。 教科書レベルの問題集や参考書というのはこの受験標準問題集を理解し解きうる力をつけるためにやるものなのです。 この位置づけをまず皆さんは明確にしてください。
難関大学の数学で合格点を獲得する肝は標準・典型問題対策
難関大学の数学で高得点、合格点を獲得するために最も大事なことは、 多くの大学で出題される標準・典型問題でどれだけ制限時間内に正確かつ迅速に処理していけるかが 合否を分ける最大のポイントであるという事実を知り対策をおこなうことです。 また基礎標準知識を前提にそこからの論理的思考で解答を導きだす応用問題が出題される大学の対策 としてもまずは数学における基礎標準知識の習得が最優先に重要になります。
具体的な数学の問題集・参考書の使い方、勉強法、 対策としては教科書レベルの基礎知識を習得したら標準的な網羅系問題集 (1対1や青チャート、フォーカスゴールド等がここで言う標準的網羅系問題集。どれか一冊でよい。) を用いて問題演習を繰り返し、解法パターンがすぐに頭に浮かぶ程度に得意分野にしておくと 時間的にも精神的にも楽になります。まずこのレベルまで仕上げることが最優先にしてください。 得点源となる標準・典型問題はどの分野から出てもいいように穴を作らないことが重要です。
数学の標準・典型問題集・参考書の具体的な使い方
具体的な標準・典型問題の数学問題集・参考書の使い方 として重要なポイントが2つあります。
1つ目は大学受験数学で特に難関大学の数学の問題ではその出題の前提となっている 大学受験数学における基礎標準知識とされているものについてはしっかりと習得しておく必要がある ということです。 これは「1.教科書レベルの知識の習得と問題演習における数学の問題集・参考書の使い方と勉強法」 でも触れた理由からです。 他の科目にも言えることですが「直接に出る、出ない」を基準にやるべきことを決めるべきではない のです。 バックボーンとなる部分は習得しておかなければ初見の問題にも応用問題にも対処できません。 時間はそれなりにかかりますが網羅系問題集は一冊なんでもいいのできっちりとものにすることが重要です。
2つ目は難関大学を目指すからという理由で 1対1と青チャートのように受験標準とされている網羅系問題集を2冊をこなさなければならない と思ってしまっている、思わされてしまっている受験生も多いですが、 どちらか一冊で十分であるということです。 1冊をしっかりものにする意識、そしてできるだけ早く志望校の過去問演習に入ることのほうが 合格にとって遥かに重要です。 この点の詳細は是非 著書「受験の叡智」【受験戦略・勉強法の体系書】をご覧いただきたいです。 非常に重要なことを記しています。
標準・典型問題の数学問題集・参考書の勉強法の注意点
標準・典型問題の数学問題集・参考書の勉強法の注意点として大事なことは、 問題集は1冊が完全に処理できていないのに何冊も使うことはやめることです。 まずは1冊の問題集を何度も解きなおし、どの公式を使うのか、 なぜここでその公式を使うのかということを考えて丁寧に演習に励んでください。 周回数が問題なのでなく、完全に理解できたかどうかを問題にしてください。
そして自己の答と解答・解説はしっかり納得いくまで比較し、 理解して解法パターンを記憶していってください。 理解して記憶することによって頭の中に解法のストックができ未知の問題・応用度の高い問題にも 対処できるようになります。
この解法パターンのストックも丸暗記ではありません。 核となる考え方を理解している事が大事です。 「このポイントが分かればこの問題は解ける」という 自分の言葉で一般化したポイント (著書「受験の叡智」【受験戦略・勉強法の体系書】キーワード: 著作権保護・無断使用禁止・要引用明記) だけを吸収するようにすれば、最低限の記憶で済むし、 そのポイントを他の問題にも応用可能になります。 またこれを言葉として書き出すことであいまいな理解では書けないこともわかるし、 自分だけのポイントが蓄積されていき復習の効率化も図ることができます。 (この点の詳細は非常に重要なことですので 著書「受験の叡智」【受験戦略・勉強法の体系書】をご覧ください。)
問題集・参考書での問題演習の目的をはっきりさせる
問題演習の目的は基礎力の欠落の発見・補充、理解した解法をストックするためと それを自由に引き出すことができるようになるためです。 (インプットとアウトプットの両方を兼ねる)解法を理解するだけでなく、 問題を通してそれをアウトプットすることも同様に重要です。 問題を解くときに、自分がどのパターンを利用しているかというのを明確に意識してください。 目的意識があいまいで問題演習をするのと、明確な目的を持って問題演習をするのでは、 数ヵ月後には大きな差となって現れます。
頻出分野については別解や発展的な解法を習得しておく
頻出分野については問題演習を繰り返す中で別解や発展的な解法を理解し記憶しておきましょう。 これによって完答できる問題が増えるとともに結果的に時間短縮にもつながります。 発想が難しい問題でさえも、コアとなる発想が出来ればあとは身につけた基礎知識から ほぼ自動で論理を展開できるくらいに問題演習を重ねてください。
各自志望校の過去問集の傾向の部分だけでもいいので学習の前にきちんと目をとおし 頻出分野をチェックすることも数学の勉強を効率化させるためには大事なことです。 分野の中でも、さらに細かい分野(確率だったら更にその中でも漸化式を利用するものが頻出、など) まで確認することをお勧めします。
※問題集・参考書、過去問集を購入する場合に大きな書店が遠いとか、 時間がないという受験生の方は以下を参考にしてみてください。 ここに掲載するものは信用できるところのみです。
数学の問題集・参考書の勉強法まとめ
数学の問題集・参考書というのは定評があるおのであれば非常に優れた体系性と網羅性を有しています。 しかし、レベルと使い方を誤ると実力はほとんどつきません。 逆に、的確な使い方を知り、それを実践していけば確実に実力はついていきます。 このコンテンツを参考に第一志望合格へ向かってください。
数学の勉強法や対策はもとより受験戦略、受験勉強計画、各科目勉強法をさらに体系的に詳細に学びたい方は「受験の叡智」【受験戦略・勉強法の体系書】をご覧ください。あなたを第一志望校合格へ導く一冊です。