英単語の効率的な覚え方と勉強のコツ
英語の勉強法と言うと英単語の覚え方、英単語学習というものを真っ先に思い浮かべる受験生も多いと思います。ここでは英単語の効率的な覚え方、勉強法、コツを東大理三合格講師槇の実践方法を含め解説します。
【コンテンツ目次~英単語の覚え方,勉強法のコツ~】
単語帳は受験標準とされているもの一冊で十分足りる
(1)単語
(2)熟語
(3)単語帳・熟語帳選びについて東大理三合格講師槇からのアドバイス
(1)4つの大きな効果がある英単語の覚え方
(2)東大理三合格講師槇が英単語を効率的に覚えた方法
(3)東大理三合格講師槇による英単語の覚え方の動画解説
英単語学習を効率化させる勉強のポイント
英単語学習を効率化するためには、試験範囲に十分な量を確実に覚えるという観点からも効率という観点からもまずやるべき対象を絞るのが大事になります。
単語帳は受験標準とされているもの一冊で十分足りる
英語を得意にしたい、難関大学合格したいという多くの受験生は、読解問題等で自分の知らない単語や難しい単語ばかりに意識が行きます。 ですので知らない単語が多いから自分は意味内容がわからなかったり解答できないんだと思ってしまいます。 その結果もっと詳しい単語集をやらなきゃだめだとかそういう考えにいたります。 しかしです、ほとんどのどの大学の入試問題も、 難関大学であろうが、ほとんどが中学で習った単語、一般の大学受験の英単語集収録の単語で文章は構成されています。
この事実に気付いていますか? 何が言いたいかというと、先ほども触れましたが意味内容が理解できなかったり、解答ができなかったりする原因はその難しい単語がわからないからではないケースが多々あるということです。 もっと基礎的な単語がしっかり身についていれば文脈から推測して意味内容や解答を導きうる場合が往々にしてあるということです。
これは合格にとって非常に重要なことです。繰り返しになりますが、所詮試験に出るすべての単語を覚えることなど不可能です。 また出題者側もそれを要求していません。つまり前後の構文をしっかり把握することが出題意図で、難しい単語は文脈から推論して解答することが求められていたりします。 これは難しい単語の意味を知っていることを要求しているのではなく、前後の構文や文法をしっかり把握できるかという基礎知識を裏から訊いてきているということです(この点は非常に重要な部分ですので「受験の叡智」【受験戦略・勉強法の体系書】を熟読してください) 。ですので、難しい単語帳を何冊もこなすのではなく受験標準とされている単語帳一冊をしっかりとこなすことが重要なのです。
また、基礎的な単語に抜けが無いということは英作文問題が出題される大学・学部の試験問題でも非常に大きな威力を発揮します。難しい単語や文法を使って文章を書くことなど要求されていません。 それよりも受験戦略上重要なことは減点されないということです。 ですのでその意味でも単語の基礎標準部分というのは非常に重要になります。
英単語を効率的に覚えるための英単語帳・熟語帳の選び方
英単語帳や英熟語帳は何を使ったらいいの?と悩む受験生も多いと思いますが選択の際の大事なポイントさえ理解していれば細かいことを気にする必要はありません。何を使うかよりも使い方のポイントを押さえることのほうが大事です。
(1)英単語学習を効率化させる単語帳の選び方
英単語の勉強法のポイントの箇所で単語帳は受験標準一冊で十分と言いましたが、これには当然「各自の現在の実力に応じて」「志望校の問題に応じて」という前提があることを看過しないでください。以下具体例を提示しますので参考にしてください。
基礎的単語帳
くもんの英単語1500 (スーパーステップ)
※中学レベルの英単語を扱ったものならなんでもいいです。
中学時代から英語をずっとサボってしまったけど本気で難関大学に合格したいという方はこのレベルから入ることをおすすめします。 完全に覚えているものは2回目3回目をやるときにはどんどんチェックして外していってください。 例文まで暗記する必要は在りません。確認用に使ってください。 難関大学志望者で基礎に抜けのある方はとにかくこのレベルはできるだけ早い時期に完璧にしてください。
受験
標準
単語帳
英単語ターゲット1900 5訂版 (大学JUKEN新書)
例文暗記型単語帳。DS版も在ります。
癖が少なくシンプルな構成。
他の3冊に比しシンプルな単語の暗記にむいています。
※注:「SECTION3」は難関大学であっても特殊的に難解な単語が必要になる大学以外は必要在りません。
共通テストレベルであれば「SECTION1」まで、難関校志望でも「SECTION2」までの単語を身につければ十分です。
DUO 3.0
例文暗記型単語帳。CDも付属しており耳からの情報を入れたい人向け。単語・熟語をシンプルな例文に詰め込み、覚えやすいという評判の一冊。
注:共通テストレベルまでなら「DUO select」でよい。
システム英単語 (駿台受験シリーズ)
フレーズ暗記型単語帳。CD付属版も在ります。
単純に単語だけを暗記するという観点からは覚えるのに時間がかかります。
他方で、入試問題に出るかたちで単語を覚えられる、実践向けであるというメリットが在ります。
注:共通テストレベルまでなら2章までやればよいです。
※学校配布のもの、使いこんでいるものがあればここに掲載している以外のものでもそちらを優先させてください。受験標準の 単語帳であれば掲載単語に大差はありません。 あれもこれもと手を出すのではなく、またすべてが載っているものと追い求めるのではなく、まず自分の気に入ったものを決めそれをこなしてください。
(2)熟語帳の選び方
解体英熟語 改訂第2版[ブック型]
単純暗記、理解暗記型単語集。
これにはカード版とブック版があり単純暗記をしたい人も、理解を重視して覚えたい人もいずれにもおすすめです。
前者が単純暗記好きな方、後者が理解重視暗記好きな方におすすめです。
1つの熟語につき穴埋め形式の例文が1つ挙げられており、用法を覚えやすくなっています。
大学JUKEN新書 英熟語ターゲット1000〔4訂版〕
単純暗記型熟語集。
シンプルな構成であり、単純に熟語のみを効率的に覚えたい人むき。
これも同単語編と同じように最終パート部分はやらなくてよいです。
速読英熟語
文章読解型塾語集。
これは単純に熟語を覚えるという目的ではなく、同単語編と同じように読解力、速読力を同時に養う目的で使用する方のみにおすすめです。
※学校配布のものがあればここに掲載している以外のものでもそちらを優先させてください。受験標準のものであれば大差はありません。
(3)単語帳・熟語帳選びについて東大理三合格講師槇からのアドバイス
単語帳や熟語帳を選ぶときは、「自分はどのレベルの語彙を必要としているか」ということともう一つ、「どういう形で身につけたいか」を基準に選びましょう。 例えば、英作文の中で使う単語力をつけるためなのか、それとも文法問題の力をつけるためかによって、適した単語帳は変わってきます。同じレベルであれば、(特に大手出版社であれば)収録している単語に大きな差はないので、構成が目的にあっているものを選びましょう。
英単語を効率的に覚える具体的方法
ここでは英単語の効率的な覚え方についての具体的な効果とその方法について解説します。
4つの大きな効果がある英単語の覚え方
英単語を覚えるには基本的には反復継続が必要です。しかし単に回数を繰り返す、という勉強法では単なる丸暗記をしているにすぎず実践的に英単語を使いこなすことはできません。 しかし、次項で解説する視点をもって英単語学習に取り組むと4つの大きな効果を得られます。
1.覚えやすい
2.忘れにくい
3.知らない単語に出くわした際、単語の意味を推測することに役立つ
4.英文のまま文章を読めるようになる
東大2回/東大理三合格者が実践していた英単語を効率的に覚える方法
英単語の覚え方について著書「受験の叡智」【受験戦略・勉強法の体系書】にも掲載してある英単語の覚え方の一部を特別掲載します。 東大2回/東大理三合格講師槇が実践していた方法を特別にご紹介します。
例えば私達が日本語を学習した時、「出発する」という言葉と「再出発する」という言葉を別別のものとして学習したわけではないはずです。「再」が「もう一度」という意味なので、「もう一度出発する」ことなんだな、と理解できました。
英単語に関しても同じ事で、restart という単語はstart に「再」を表すre が接続したものとして理解されます。これは簡単な例なので当たり前だと思うかもしれませんが、同じような考え方が英単語の学習を楽にします。
Compassion という単語の意味はわかりますか。
正解を言う前に、この単語の成り立ちを考えましょう。
英単語は接頭辞+語根+接尾辞で基本的には成り立っています。
compassion の場合はcom が接頭辞、pass が語根、ion が接尾辞で、これを組み合わせてひとつの単語が作られます。
「com~」という単語はよく見ると思います。
この接頭辞がつくと「共に、一緒に」という意味が加わります。
community で社会共同体、connect(con も同じ意味)で接続する、というように共同で何かをする、というイメージの単語に多く付きます。Communication などもそうですね。
pass は悲哀、苦しみの強い感情を表します。
path と書かれることも多く、patient でそういった苦しみを抱える人、という意味になり、これが「患者」という単語になりました。
ion は名詞を形作る接尾辞です。
以上から、com+pass+ion は「共に苦しむこと」という語源になり「同情」という意味になりました。
このように単語の成り立ちを考えることで意味を推測することは可能ですが、接辞や語根の数は非常に多くあります。 全部覚える必要はありませんし、もっと言えば接辞・語根そのものを覚える必要はないと私は思います。 com が「共に」でion が「~すること」で…などと単独で覚えようとしなくても良いということです。 そうではなく、逆に単語を覚えながら、その成り立ちを考えることで、これらのうち重要・頻出なものが自然に覚えられれば良いのです。
例えばmaintain は「維持する」でretain は「保持する」という意味ですが、日本語訳を見ると「持つ」という漢字が共通していますね。
英単語の方はtain が共通しています。
実際tain は「持つ・保つ」という意味の語根なので、共通する単語から意味を導くことが出来ましたね。
覚えにくい単語に出くわしたらその成り立ちを考えてみてください。辞書やネットで検索すれば語源はすぐに出てくるはずです。 それを続けるうちに、頻出する接辞・語根は自然に覚えられます。 そうすれば、初めて見る単語に出くわしても意味を推測する手がかりになりますし、それ以上に、理解の手助けになるので単語を覚えるのが格段に楽になります。
その際大事になるのが、成り立ちから単語のイメージを掴むことです。
maintain が「手で保つ」という語源ですから、機械などを手であれこれ尽くして保つイメージを考えます。それを日本語で表したものとして「維持」が浮かぶわけです。
日本語と英語は決して一対一で対応しませんから、単語を学習する際はまず英単語をイメージで理解して、そのイメージを表す日本語が訳になるという、イメージを媒介とした覚え方をすることで、入試問題などに対応できる単語力が身に付きます。
日本語訳と英単語を一対一で覚えてしまった方が勿論手っ取り早いですし、スピードが要求される試験では意味がすぐに浮かばないといけないので最終的には暗記が必要になってきます。が、一度このようにイメージを介在させた単語の理解を経験することで、文章を日本語に訳しながら理解するのではなく、 「英語のまま文章を読む」ということが出来るようになります。
このことは入試において問題文の解釈力のアップに繋がりますし、何より大学に入った先、英文を単なる日本語への対応としてではなくイメージとして理解できることはあらゆる場面で有益なものになります。
英単語の覚え方の動画解説
英単語の覚え方のコツについて東大理三合格講師槇によるみなさんへのプレゼント動画です。この動画の中では英単語のの効率的な覚え方や英単語学習全般に関する重要事項を取り上げています。
英語の勉強法の更なる詳細や各科目の勉強法、受験戦略、受験勉強計画を体系的に学びたい方は「受験の叡智」【受験戦略・勉強法の体系書】▶を是非ご覧ください。あなたの難関大学合格可能性が確実に高まります。
※今後も英単語の覚え方や英語の勉強法に関するコンテンツを追加して行きます。お友達やお知り合いと適切な情報を共有し切磋琢磨しあうことは、あなたの合格可能性を高めることに非常に役立ちます。以下のシェアボタンを押せば簡単にシェアできます。